注文住宅では柱の太さが重要
注文住宅は、間取りを自由にできるだけでなく、ある程度の仕様の変更も可能か場合がほとんどです。仕様の変更で重視したい項目が建物の構造に関することです。構造は専門的な部分が多く、構造に関することは専門家に任せてしまいがちですが、専門家は決められた範囲内での計算をすることは得意でも、どの部分に重点を置くかの予算の配分はあくまで建築主の意向を尊重します。木造住宅においては一般に構造計算はせず、建築基準法の筋違い計算のみを行い、構造的な安全性を確保しています。
しかし、建築基準法における規定はあくまで最低限の基準を定めているだけで、必ずしも建築基準法の想定を超える地震に対して安全性を確保しているわけではありません。日本は東日本大震災を境に地震の活動期に入ったと見られ、一般住宅においても、より重点的な地震対策が必要となっています。注文住宅では、グレードに応じて柱の寸法を変えることが可能な場合が多く、なるべく太い柱を使うことで、住宅の耐震性を高めることができます。特に10.5cm角の柱を使用している住宅は、大きな地震に対して壊れやすく、それに比べて12cm角の柱を使用している住宅は、大きな地震でも壊れにくいとする実験結果も出されています。
柱の太さのわずかな違いで住宅の耐震性を高めることができるのですから、仕上げなどの仕様を落としてでも、構造材である柱の太さを太くして、大地震への備えとしたいものです。注文住宅では、長期優良住宅や住宅性能表示制度などの、グレードを高めるための制度を活用することができ、建築主が住宅会社に申し出ることで、耐震性ばかりでなく、耐久性や省エネ性を高めた住宅を造ることができます。
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